武市瑞山 のバックアップ(No.3)

武市瑞山とは、土佐藩士の一人である。通称の半平太でも知られる。
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画像出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E5%B8%82%E7%91%9E%E5%B1%B1 (上)武市が獄中で描いた自画像。(下)武市瑞山を描いたリトグラフ。


【生没年】1829~65
【出身地】土佐


 土佐藩白札郷・武市正恒の長子に産まれた。若いころから剣術の腕前に優れ、道場を開業した。武市はここで少年時代の岡田以蔵に剣術を教え、この道場がのちに成長し「土佐勤皇党」となる。
安政三年(1856年)には江戸に剣術修行に赴き、剣豪・桃井春蔵に弟子入りし、その才能を認められ、免許皆伝となり、塾頭を務めることとなった。土佐に帰国後には参政・吉田東洋?の推挙で剣術諸事世話方に命じられた。
 文久元年(1861年)には剣術の修行のため再び江戸に赴き、そこで久坂玄瑞?(長州)や桂小五郎(長州)、大久保一蔵(薩摩)など各地の藩出身の勤皇派の人物と逡巡し、土佐藩の勤皇派の結集を決意し、「土佐勤皇党」を結成した。この「土佐勤皇党」には岡田以蔵や坂本龍馬中岡慎太郎など多くの人物が参加した*1
そうして、勤皇党にとって目の上の瘤となりうる存在の公武合体派の吉田東洋を那須信吾ら党員に殺害させ、藩論を尊王攘夷に転換させた。これ以降、武市は勤皇党にとって障害となりうる人物の排除を党員に命じて行わせた。例えば、吉田東洋の暗殺犯を藩の命で探していた上士・井上佐一郎は、東洋暗殺が勤皇党の犯行であることが露見することを恐れた武市の命を受けた岡田以蔵に言葉巧みに誘われるままに酒を飲み、正体をなくすほどに酔わされて前後不覚になったところを縊殺されている。こののち、藩主・山内豊範を擁立して同志らと入京した。
譲位督促の副勅使・姉小路公知の雑掌に就任し、「柳川左門」と名乗って江戸下向に随行し、将軍・徳川家茂にも拝謁することができた。そうして、藩論を主導して京都における尊王攘夷運動の首魁となった。
 しかし、文久三年(1863年)の八月十八日の政変を境に政局が暗転すると、武市の立場も危うくなった。前藩主・山内容堂?と家臣・後藤象二郎?*2が土佐勤皇党の弾圧に乗り出し、武市や岡田以蔵らが逮捕されることとなった。慶応元年(1865年)閏5月11日、「主君に対する不敬行為」という罪目で切腹を命じられる。この判決が下されたのち、武市はあまりにも苦痛を伴うので誰も実行したことがないといわれる「三文字の切腹」を成し遂げて果てたと伝わる。享年37歳。
辞世の句は、「ふたゝひと 返らぬ歳を はかなくも 今は惜しまぬ 身となりにけり」。
かつて武市と逡巡した桂小五郎や久坂玄瑞は武市の才能を高く評価していた。また、土佐勤皇党弾圧の際、乾退助?が武市の取り調べにあたったが、退助は武市の思想に共鳴しており、武市に同情的であったため、取り調べの任務から外されたという。維新後、後藤象二郎と退助は武市の遺族に「武市さんを藩の命で死に追いやったのは、私たちの誤りでした」と謝罪した。かつては武市を重用し、のちに勤皇党弾圧で武市を切腹に追い込んだ前藩主・山内容堂は自身の所業を悔やんでおり、晩年は「半平太よ、私を許してくれ」とつぶやいていたという。

逸話 Edit

  • 美男子だが、顎が非常に大きかった。遠い親戚筋で親友の坂本龍馬は武市を「アギ」(土佐弁で「顎」)と呼んでからかい、武市も龍馬を「あざ」と呼んでふざけあっていたという。

  • 妻の富子を一筋に愛し、遊郭遊びはほとんどしなかった。武市と富子の間には子供がいなかったが、それでも武市の妻に対する事情は変わらなかった。勤皇党員がこれを心配して富子を一時的に実家に帰し、別の女性と武市に関係を持たせ、武市との間に子をもうけさせようとした。武市はこのたくらみを察知し、計画を立てた勤皇党員に「子供ができないのは仕方のないことだ。二度とこんなことをするんじゃない!」と一喝したという。

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*1 龍馬や中岡は時期こそ異なるが、徐々に過激化していく勤皇党に見切りをつけ、脱退している。両者の脱退に対して武市は「去る者は追わず」という立場をとっていた
*2 後藤はもともと勤皇党の存在を快く思っていなかったが、叔父にあたる吉田東洋が暗殺されてからは勤皇党の弾圧を激しく主張していた

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